地震や台風などの自然災害の多い日本。特に東日本大震災では、景観や建物だけではなく写真やデータまでが丸ごと消えてしまい、あまりに多くのものを失いました。思い出の景色や建物を失ってしまう前に、そのすべてを映像におさめ、日本を目に見える形、耳で聞こえる形で後世に遺す。「ピース・ニッポン・プロジェクト」は東日本大震災を経験した映像作家たちのそんな思いからスタートしました。
劇的に変化する都会の町並み。自分が通った学校と通学路。いつも使っている駅舎や、駅から見た景色。大好きな食堂や本屋の外観。歴史を物語る建造物。日々目に見えない速度でゆっくりと変化する自然。そういった景色を動画や写真として年代ごとに地層のように蓄積し、「みんな」で日本のすべてを次の世代に遺す。動画や写真が簡単に、誰でも撮影可能になった今、美しい観光地に加えてあと少しだけ「私たちが遺したい景色」に時間を使うだけで日本を後世に遺すことができるのです。
プロジェクトの第一弾として公開される映画『ピース・ニッポン』は、日本を愛する映像作家たちが数年間に一度だけ出会えるような一期一会の美を追い求め、日本の魅力を厳選した作品です。まずは映画をご覧いただき、日本に恋してください。きっとあなたも、美しい日本を遺したくなるはずです。